りして転倒を免れるようにすることである。それには、転倒やつまづきで述べた対策が必要である。また、体重や力が斜めにかからないような姿勢をして急な動きで踏ん張らなくても済むような、落ち着いた動作が必要である。
e.無理な動作(中腰、前屈みをさけ、特に重量物扱い時には注意する)
腰痛経験者は商船で約半数、漁船員で約三分の二あり、災害統計でも多くみられる。
甲板上での中腰姿勢での作業、船内での窮屈な作業などから、加齢に伴って脊椎の変形者が多くみられ、腰痛の下地ができている。これに過重な負荷がかかったときに腰痛を起こす。特に横になって休息していたのが急に索や漁具などの重量物を扱うときは危険である。作業前には身体の屈伸や捻転などの準備運動をし、前屈みの姿勢でなく、足を使った垂直な姿勢で重量物を扱うことである。
f.挟まれ(索具の状態と動きに注意する)
船は動揺する上に、索具やブームなどの騰製品、漁具が不安定に置かれており、移動して用いられる。したがって、これらへの巻き込まれや挟まれ事故が多い。
これらの動きを予想して作業位置を確保するが、熟練して慣れてくると、この予想が定型化してルーズになる。切断、ねじれ、他の属具とのからみ等の異常が生じた場合には予想と異なることが多い。また、周囲の人に周知させることなく作業を始めると予想外の動きをする。したがって、これらの動きを単に経験からではなく、動きの可能性をも考慮して位置することが重要であり、作業の連携と連絡を密に行うことである。
(3)作業配置
a.危険個所(ローラー、索具から距離を保つ)
船内には危険個所が多い。最たる所は索、漁具、ローラーやウィンチ等の回転
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